遺言書に関する問題で難しい問題というのはいくつかあるのですが、主に方式や内容に関するものがほとんどです。
3種類の遺言書のうちのどれかの要件を満たしていなければならないとか内容が法律にのっとった内容でなければならないなどです。
それ以外の問題で案外難しいのが遺言書をどこに保管するかという問題です。
鶴の恩返しではありませんが人間見てはいけないといわれると見たくなるものです。
遺言書の中には封印をして保管するものがあります。
この封印を破って中身を見てしまうと遺言書は無効にはなりませんが、改ざんが疑われてしまいます。
もっと極端な場合だと本当に本人が書いたものかどうかという疑いも出てきます。
そのため相続人にあたる人に遺言書の保管場所を教えてしまうと中身を見られてしまう可能性が出てくるので慎重に考えなくてはいけません。
かといって誰にも教えずにいると遺言書が存在すること自体誰も知らないということになるので、遺言書を作成した本人が死亡しても発見されない可能性もあるのです。
遺言書を作成しても発見されなければ存在しないのと同じになってしまいます。
そのため死亡時には表に出てきて遺言書の内容が実現できるように公正証書遺言で遺言書を作成したり遺言執行者を決めておくことが勧められるのです。
これらに加えこれから法務局で自筆証書遺言を保管するという制度ができるためこれまでよりは遺言書を残す人が増えると思われますが、しばらくの間は専門家の関与のもとに公正証書遺言を作成することをお勧めいたします。