著作権法の改正が見送られました。
今の政権では数々の法案が促成されています。
このことを考えると著作権法の改正も可能ではあったと思います。
しかし漫画家協会を始めとする各方面から反対の声が上がっていたため今国会に改正案は提出されませんでした。
その理由の一つに専門家からの反対意見があります。
法案を早く通過させることに今の政権は慣れているはずですがそれを可能にしているのも官僚や各方面の専門家の協力が得られれば施行までに何とか形はつくだろうという見込みがあるのだと思います。
それが今回は専門家も反対していました。
そこで文化庁も考えを変えたようです。
著作権法の専門から100人から緊急声明が出されました。
その中には著作権法の賢威である東京大学の中山信弘教授もいらっしゃいました。
学者は本来論文で反論するのが筋ですが、今回は法律の改正手続きがとても早く進んだため専門家が緊急声明を出したようです。
いわく海賊版の対策には「マグロは捕まえメダカは逃がす」工夫が必要なのだそうです。
法律に詳しい人ほど法律だけで世の中が何とかできるとは考えていないように思います。
それでもルールは必要です。
性急な改正の動きにいつもは後から批判をする学者の中から事前に反対意見が出されて改正が見送られたというのは健全な議論が可能であることの一つの証だと思います。
これから更に議論が深まりより良い著作権法が出来上がっていくことに期待したいと思います。