弊所でも、利用料金のカード決済の導入を考えていますが、まだ導入はしていません。
このネットでのクレジットカード決済について書いてみたいと思います。
今回書くのはカード利用者側についてではなく、カード決済サービスを導入する側の問題についてです。

ネットのサービスでクレジットカード決済を導入する場合、通常決済代行会社が間に入ります。
入れなければならないわけではありませんが、カードブランドごとに審査を受けたり契約内容が異なるのは大変なので決済代行会社を利用する場合が多いです。
カード会社毎に契約内容は異なるため、締め日や入金のタイミング、手数料が異なると管理が大変なので、決済代行会社を入れることは決して無駄ではないのです。

決済代行会社によって決済手数料が異なります。
決済手数料が高いとサービスを提供する側の利益が減りサービスの質が落ちたり、お客様の利用料金に上乗せされるだけですので、なるべくコストは抑えたいというのが実情でしょう。
他方、カード決済代行会社の方では決済代行会社同士で手数料について競争が起こります。
手数料ビジネスは手数料額や利用者数が命ですので、手数料が低すぎたり、利用者数が少ないと採算が取れません。
そのため、こういった決済代行会社はたまに潰れます。
サービス内容にもよりますが、カード決済の代金は一定期間まとめて入金されるため、入金までの間に倒産されると、物やサービスを売った側は売れた分の代金が回収できなくなり自分も経営状態が危なくなります。
ですから、単にサービス利用をどこにするかというだけでなく、その決済代行会社の信用状態やサービス内容を慎重に検討する必要があります。

決済代行会社がもっているお金は自分のお金であって、決済代行会社のものではないのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、決済代行会社の口座で管理している以上、決済代行会社の債権者の執行を回避できないと考えてよいでしょう。
倒産隔離などの特殊な方法を用いていなければ、決済代行会社の債権者のものとなってしまいます。
あなた自身もその債権者の一人になるかもしれませんが、執行手続や破産続きにおいて一般債権者に優先権はありません。

売掛金が発生するビジネスでなくても、カード決済代行会社を利用する場合は、カード決済サービスを導入する側も与信という考え方が重要になります。

また、決済代行会社のサービス内容によって利用できるカードブランドも異なります。

更に、決済方法がメールでのリンクで決済画面に遷移するタイプやサイト自体に決済画面が実装されるタイプなどサービス内容によって、技術的に自社サイトに導入しいやすい、しにくいという問題も出てくるためサイト作りにも影響します。

決済代行会社を決めるには技術的に自社サイトに導入しやすいサービスか、どの種類のカードブランドが使えるか、その決済代行会社の信用状態は大丈夫かといった長期的な視点やビジネス上の視点も考慮して決めなければならないため、案外難しい問題なのです。