昨日書いた記事、「民事法務と紛争性」に関連してもう一つ大事な業務があります。
相続分野です。
相続発生時、遺産分割で紛争性が出てくる場合があります。
相談者は相続人間で話はついているということで遺産分割協議書の作成をしようとすると、相続人のうちの誰かが納得していない。
こういう場合に遺産分割協議書を作ってしまうと、ハンコはもらえずに紛争へと発展していきます。
そのため遺産分割協議書を作る場合も、相談者以外の相続人にも合意内容が間違いないか確認する必要があるのです。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要ですが、相続手続きをするための相続人の特定は相続人のうちの一人からのご依頼でも可能です。
弊所では今のところございませんが、このような合法的な手続きであっても、相談者以外の相続人から自分の戸籍を勝手に取ったと言われたケースがあると聞いております。
相続手続きは直ぐに進められるのではと思うお客様もいらっしゃると思いますが、手続自体というよりも事前に確認しなければならないことは案外多いのです。
これ以外にも注意しなければならないのは行政書士が遺産分割協議書の作成する場合、遺産分割の割合について他の相続人と交渉することもできません。
相続人の間に入って遺産分割割合を調整すると違法になってしまうので注意が必要です。
ただ、お客様が注意しなければならないというよりも行政書士が注意すればよいことですので、相談の仕方が面倒では?と思ったとしても、どういう内容を案内できるかも含めて相談を行っておりますので、まずはご相談ください。
遺産分割への関わり方
「遺贈と死因贈与」