新規ビジネスのセミナー記事第4弾です。
今回は、クラウドファンディングについて書きます。

クラウドファンディングというのは資金を募りたい人がプロジェクトを立ち上げ、それを購入したいと思う人や投資したいと思う人が購入者となり一定期間支援者を募集します。
期間終了後、目標金額や条件をクリアしていればプロジェクト成立となるものです。
プロジェクトが成立すれば資金調達成功で、これをプロジェクトの目的のために使えます。
これは返さなくてよいお金です。
プロジェクトが不成立ならお金も入ってこない代わりに商品やサービスを購入者に提供しなくて済むわけです。

種類が複数あってサービスによってそれぞれ仕組みや用語が若干異なるものの、おおよそ上に書いたものが一般的なイメージです。

クラウドファンディングについては以前資金調達の方法として、開業資金調達としてはあまりおすすめしないということを書きました。
その考えは今も変わっていません。

今回のセミナでは試験的に作成した製品をクラウドファンディングでプロジェクト成立まで改良し成功した事例が紹介されていました。

これは以前書いた記事の内容にも沿っていてプロジェクトが成立して資金ができたのでこれから作るというより、作れることが確認できているのでプロジェクトが成立しているのです。
つまり開業資金というより量産化の資金ということです。

事実上既に製品やサービスは提供できる状態で量産したり顧客数を伸ばすために資金調達したいという場合には選択肢の一つに入ってくると思います。

ではクラウドファンディングはあまり役に立たないのかというとそんな事はありません。
業種によっては向いているものもあります。

思い浮かぶのは、輸入ビジネスです。
既に海外で生産されている製品を日本に持ってくる、そのローカライズや仕入れ資金の調達などには比較的向いていると思います。

ただし輸入の場合、他者が同じ製品をたくさん輸入していては集客力が鈍りますから、日本での独占販売権を取得している場合やクラウドファンディングのプロジェクト成立を条件に独占販売権を取得できる場合などが現実的なのではないかと思います。

他の業種でも同じですが、クラウドファンディングのプロジェクトとして公開するということは、その製品やサービスを広く人に知らせてしまうということです。
必ずしも購入者だけが見ているわけではありませんから、自分が興味を持っている製品やサービスをライバルに知られてしまう可能性もあるのです。

セミナーでは現にプロジェクトとして製造したいと資金を募集した商品の類似品がすぐに中国で出回るという事象が紹介されていました。

このように他者の動向にも注意しながらビジネスを進めないと出し抜かれることになりかねません。

反対に購入者の中にはその製品がただ欲しいというより、プロジェクトを応援したいという気持ちで購入してくれる人もいるので海外から物を持ってくるだけなら購入しないという層もいると思います。
輸入ビジネスでクラウドファンディングを検討しているのなら、損得以上の何らかのストーリーがあった方がよいと思います。

今回は輸入ビジネスをご紹介しましたが、他の業種でも成功事例はありますので興味のある方は情報を集めてみてはどうでしょうか。