入管法改正で国会が揉めています。

入管法改正に伴い入国管理局を庁にする事も含め入国管理行政について弁護士の指宿先生が非常に興味深い見解を述べていらっしゃるのでご紹介します。

まず外国人の受け入れ政策については共生政策と在留管理政策が必要だと述べておられます。

確かに新しい在留資格を創設して在留外国人の数を増やし永住申請しやすい在留資格を作るのであればこれまでとは状況が変わります。

入国管理局を入国管理庁に格上げして入管業務の増大に対応しようというのですが、入管行政だけでなく外国人の生活問題に対する対応も増えるので生活面に対応する行政機関も必要になると思います。

指宿先生は入国管理庁ではなく双方の政策を両方とも行う共生庁、多文化共生庁、外国人労働者庁などを法務省下ではない機関として作るべきだと主張されています。

私は在留管理政策は法務省下でも良いような気がしています。

現在外国人を入国させるさせないということや在留資格を更新するかしないかは法務大臣の裁量ということになっています。

これが良いかどうかは別として一定の歯止めは必要なの法務省で入管行政を行うこともやむを得ないのではないかと思っています。

ただ、指宿先生がおっしゃるように共生政策の必要性が高まることは確かです。

滞在について首根っこを押さえられている入国管理庁に生活面の問題も担当させるのは問題が出てくると思いますし、業務としても対応しきれないのではないかと思います。

そこで在留管理政策を法務省に共生政策を厚生労働省などの別の省の管轄下に置いて生活問題や外国人特有の労働問題を担当させるのが良いのではないかと思います。

足並みが揃いにくくなるデメリットもあると思いますが、権力分立のようなメリットもあるのではないかと考えています。

このようなことは政府や国会議員も気づかないわけはなく生活面の問題があやふやなのは社会保障の問題が表面化するからではないかと勘ぐってしまいます。

日本人の年金問題も危ないと言われているのに外国人の社会保障で大盤振る舞いという訳にはいかないと思いますが、労働力を提供させておいて社会保障を整えなければ、結局治安の問題として自分たちに跳ね返ってくるような気がします。

この他に指宿先生は入国管理庁創設にあたり入国管理行政について国際人権基準に適合した運用を求めています。

具体的には収容施設への収容期間に上限を設けることなどです。

日本人にとっては馴染みがないうえ、外国人の中にはどうせ日本にいられないなら強制送還されてもいいと考える人がいるようですが、収容施設に収容するかどうかの審査中は拘束期間に上限がありますが、一旦の収容されると拘留期間に上限はありません。

すぐに強制送還されるとは限らないのです。

また、収容中や強制送還に伴い暴れたとして身体を拘束する際に死亡などの重大事案が発生しています。

これは入管行政に限ったことではなく最近も警察官が抵抗する市民の身体を拘束しようとして死亡事件が発生していることからも運用基準の改正は必要だと思います。

入管行政の運用が国際人権基準に適合するようにルールを改正することは外国人だけでなく、入管行政に関わる職員が予期しない業務上過失の罪に問われることを少なくするためにも必要だと思うのです。