最近、三島由紀夫没後50年ということで三島由紀夫について取り上げられていることが多くなっているように思います。

文学作品を改めて読み直してみるのも良いと思います。

今日は文学作品ではありませんが三島由紀夫と言われて頭に思い浮かんだ本をご紹介したいと思います。

この本です。



著者の団藤先生は有名な刑事法学者であり最高裁判所の判事も務められた方です。

著者がすでにお亡くなりになっているせいか現在は古本でしか手に入らないようです。

刑事法の学者が書いたものですがタイトルからもわかるように法律の本ではありません。

団藤先生の回顧録のような内容になっています。

三島由紀夫は東京大学での団藤先生の教え子です。

私はこの本で平岡というのが三島の本名だと知りました。

団藤先生の学術書は美文で有名で三島の文体は団藤先生の影響も受けていると言われています。

もっとも三島が小説を発表したのは高校生の頃ですから教え子になる前から才能を発揮していたことになります。

なぜ数いる教え子の中で平岡青年が印象に残っているかということが書かれています。

三島の学生時代は戦争中で東京大学の学生も疎開していたそうです。

当時団藤先生は引率者として学生を連れて疎開していました。

軍部の監視が厳しくなり学生の手紙を検閲すると軍が言い出したようです。

団藤先生たちは自分たちがいながら軍の人間に検閲させるわけには行かないと考え自分たちが学生の手紙をチェックするので検閲は止めてくれと進言しそれが認められたそうです。

このような事情から学生の手紙をチェックしていたところ疎開先から有名な文豪に手紙を書いている学生がいたそうです。

それが平岡公威(三島由紀夫)でした。

その内容もかなり面白い内容だったため名前が印象に残っていて試験の答案を読んでみてもなかなか良く書けていたというようなことが書いてあったように思います。

三島について触れられているのはここに書いたぐらいの内容ですが、興味がある方は読んでみてはどうでしょうか。