最近、行政書士が任意後見の仕事でお客さんのお金を着服し業務上横領で有罪判決を受けたという記事を書きました。

業務上横領というのは何も士業に限ったことではありません。

三井住友信託銀行の元社員が勤務していた当時、顧客から不正に3億7000万円のお金を集め使い込んでいたため懲戒解雇したと同行が公表しました。

金融業で同じような事件は聞いたことがあると思いますが、なぜこの件を今日記事に書こうかと思ったかというと行政書士の方の事件では行政書士が業務上横領を行おうと思った場合、いつバレるかは別にして犯行自体は簡単にできてしまうと思うのです。

それに対して信託銀行というのはお客さんの資産の管理に関わる業務を行いますから、書類なども他の金融業に比べて非常に細かく厳重でチェックが厳しいと言われています。

そのため不正を行おうと思っても難しいと思うからです。

それとこの元社員は2010年頃に使い込みを始めたらしく、3つの支店を異動しています。

金融業界で転勤が多いのもこのような事件を防ぐというのが理由の一つでもあります。

それにもかかわらずバレずに3億7000万円を着服できたということが、知能犯だなと感じてしまうのです。

褒められたことではないのですが、やってみろと言われても信託銀行で着服しバレずに勤め続けるというのは案外難しいのではないかと思います。

変なことに感心するなと言われそうですが、この手口がバレたのも本人からの申し出だそうです。

いずれバレるとは思うのですが、お客さんにも同僚や上司にもバレずに10年というのはかなり大変なことだと思います。

優遇金利をちらつかせていたようなので業務上横領だけでなく詐欺となる可能性もありますが、横領の穴埋めを別の横領で埋め合わせるという手口が業界を問わずこのところ相次いで明らかになっています。

コロナの影響により新たな横領が難しくなっているからです。

この件の詳細がどのようなものか現在のところまだ不明ですが、思わぬところにもコロナの影響が出ています。