コロナ下で厳しい経営状態が続いている事業者も多いと思います。

場合によっては自己破産を検討しなければならない人も出てきます。

破産していて相続が発生したことがわかった場合、相続財産はどうなるのでしょうかというのが今日のテーマです。

結論から言うと相続が発生したのが破産手続開始決定前か後で結論が異なります。

相続が破産開始決定前なら相続できるが配当に回ってしまうため自由に使えなくなります。

相続破産開始決定後なら相続して自由に使えるとお考えください。

破産手続開始決定がなされると財産の管理処分権が破産者から破産管財人に移行します。

破産者は元々自分の財産であったものでも自由に使うことができなくなってしまいます。

破産管財人の仕事は、もともと破産者の財産であった財産を破産財団として必要なものは取り戻し、破産者のものでないものは然るべき者に戻して配当の対象となる財産を確定し、債権者の配当に当てていくというものです。

そのため破産手続開始決定前に相続が発生していれば、破産財団に組み込まれて配当の対象になってしまうということです。

これに対し破産手続開始決定後の相続では破産手続きとは別個の自由財産となりますから普通に相続して使うことができるのです。

ちなみに破産したことに対するペナルティーとして相続できなくなるなどという制度はありませんのでご注意ください。

相続しても自由に使えなくなるのは、あくまで他の財産と同じく破産手続き上の問題であることをご理解ください。