マネーロンダリングに関する規制が強まっています。

弊所のような小規模事業者でも口座の利用目的などの確認書類やネット上からの回答が求められることがあります。

これには大きく2つの理由があります。

1つは犯罪収益の移転防止のため、資金洗浄行為を防ぐことです。

犯罪によって得られた資金の洗浄の防止や犯罪のための資金源を断つことを目的としていますが、国内犯だけでなく国際的な犯罪についても対象になります。

国内だけ取り締まっても海外で資金洗浄されてしまえば、実態を把握することが難しくなります。

そこで国際的な連携が必要になるのです。

日本はマネーロンダリング対策を審査する国際的な金融活動作業部会(FATF)からマネーロンダリング対策が不十分であるという評価を受けてしまいました。

そのため中小金融機関も含めての対策が求められているのです。

マネーロンダリング対策が強化されている理由の2つ目は不透明なお金の流れの捕捉です。

犯罪収益に限らず、不透明なお金の流れで徴税を免れている場合があるのです。

特に中小企業での金融商品取引に不透明な部分があったため大株主に関する情報を法務局に提出する制度を創設しています。

このように口座の利用目的の確認だけでなく日常取引にまで規制は及んでいます。

行政書士も仕事柄、お客様に犯罪収益移転防止法などの規制がかかってくることがあり、その内容をご案内することがあるのですが、報告の対象となるテロリストのリストとして提供されているファイルのページは何百ページにもなっているため、事実上チェックしきれないというのが実情です。

このような日常生活に不便をきたす規制が増えていることも、イスラム系の人達への偏見が強まる原因の1つになっているように思います。