地下の工事により陥没事故などが起きて問題になっています。

東京都の調布で陥没事故が起きたことは記憶に新しいと思います。

東京外郭環状道路、通称外環道の拡張工事が原因だと言われています。

練馬と世田谷間で工事が再開されていましたが、工事地域に住む住民が工事の差し止めを求めて仮処分の申請をしていました。

これについて東京地方裁判所は一部工事差し止めを認める決定を出しました。

このような公的な計画に基づく工事については行政の裁量が広く認められる傾向にあります。

さらに工事に既に着工している場合は、それを差し止めるということは珍しいと言えます。

それだけ陥没事故は衝撃的だったということでもあります。

まず法的にはこのように地中深いところを工事する場合、大深度地下利用法という法律の適用があります。

この法律により公益上の必要がある場合でなければ工事をすることができないことになります。

実際には用地買収などがしにくい地域では地下工事が検討されることになります。

次に、住民側が請求した仮処分申請ですが、通常の訴訟の本案での審理をしていたのでは被害が出てしまい間に合いそうにない場合に、まず工事を止めて貰う必要があります。

このような場合に認められているのが仮処分という方法です。

まずは仮処分で工事を止めておいてから訴訟の本案で、きちんと判決を出してもらうという方法を選択していることになります。

民事訴訟でも、例えば会社から解雇されて、それが不当だと考えた場合、会社員としての地位保全の仮処分を申請しておいてから、本案で解雇無効を訴えるということがあります。

このように保全処分をしておいてから、本案に進むということが場合によっては必要になります。

闇雲に訴えればよいというわけではありません。