持続化給付金の申請に関して、家族も巻き込んで詐欺を行っていたとして、指名手配されていた男が、逃亡先で身体を拘束されました。
インドネシアに逃亡していたことはわかっていましたが、外国であるため日本の警察は簡単には捜査が出来ません。
主権の侵害になってしまうからです。
そのため海外で身体を拘束してもらって引き渡してもらうことになります。
この時犯罪人の引き渡し条約を結んでいると事がスムーズに運びます。
犯罪者の責任追及の手を緩めるべきではないとして、このような問題が生じると、どんどん犯罪人の引き渡し条約を締結すべきだという意見が出てきます。
しかしながら条約である以上、日本側が被疑者と考える人間だけでなく、海外から犯罪の嫌疑をかけられている外国人や日本人も引き渡さなければならないことになります。
どのような法制度の国なのかをよく検討してみないと、条約を締結して良い国かどうかということすらわかりません。
そのため日本が犯罪人引渡し条約を締結しているのはアメリカ(U.S.A)と韓国(大韓民国)の2国ぐらいなのです。
意外に少ないのです。
かと言って条約がないと引き渡しを請求できなくなるわけではありません。
法的に請求できなくても、任意に引き渡してもらうことは可能です。
実際に外交関係を考えて引き渡しが行われることもあります。
そのため、増々すぐに条約締結という話にはなりにくいのです。
それと今回の事件でもう1つ大事なことは、被疑者は海外に逃亡していたため、公訴時効が停止するということです。
海外に逃げれば大丈夫ということにはならないのです。
今回は時効が完成するほど長い期間逃げていたわけではありませんが、仮に時効が完成するぐらいの期間逃げていたとしても、時効期間が経過したと思って日本に帰ってきてら、刑事訴追はできることになります。
捜査は及びにくくなるが戻ってきたらアウト
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