はやぶさ2が持ち帰った砂の分析で様々なことがわかってきました。

砂の中に炭酸水が含まれていることがわかったのです。

砂の中の硫化鉄の結晶の中に、炭酸水が微量に含まれていたのです。

このことから様々なことがわかります。

炭酸水の構成物質である水や二酸化炭素は、高い温度の所では存在しません。

水は蒸発してしまいますし、炭酸ガスも抜けてしまいます。

そして、温度は太陽からの距離にほぼ比例するので、太陽のまわりで水が氷として存在し得るスノーラインと呼ばれる距離がわかっています。

二酸化炭素はこれよりも太陽から遠い所(温度が低い所)でないと存在できません。

ということは、この両方が含まれている炭酸水は、もともとのスノーラインよりも太陽から遠い所で形成されたと考えられるのです。

このように太陽からかなり遠い所で、化学反応により形成されたドライアイスや氷により、リュウグウの母体となる天体が作られたことが推測できるのです。

このリュウグウの母天体に他の天体が衝突し、現在のリュウグウが破片として出来上がっているということが言えそうなのです。

これは他の物質にも言え、太陽から遠い所で、化学反応により様々な鉱物が作られていた可能性が出てきます。

持ち帰った僅かな試料を分析することにより、様々なことがわかります。

科学の力、恐るべしです。

試料を採集したのが惑星リュウグウですから、試料を調べることは、玉手箱を開けたようなものです。

歳はとりませんが、開けてびっくり玉手箱というのは本当のようです。