奈良県の平城宮跡から「やまとうた」を意味する「倭歌」と書かれた木簡が出土しました。

奈良文化財研究所によれば、「やまとうた」を指し示す最古の資料となりそうです。

奈良時代の中頃に書かれたものではないかとのことです。

資料の赤外線写真を見ましたが、文字もきちんと読めそうなぐらい形がある状態で出土しています。

歌の一部とみられる文字も書いてあるようです。

意外だったのは「倭」という文字が使われていたことです。

「倭」という文字は外国、特に昔の中国が日本を指す蔑称として使っていたという印象がありますので、日本人が自分たちで使っていたのかと認識を改めました。

頭に浮かぶのは「魏志倭人伝」の「倭」です。

蔑称とは、もちろん侮蔑して呼ぶ時の言葉ですから、日本人をジャップと呼ぶような感じです。

もしかすると、よくわからないけれども漢字を輸入した中国で使っているので、使っただけなのかもしれません。

調べてみると,当時使われていた文字としては、やはり「和歌」の方が圧倒的に多いようです。

「大和歌」という表記もあるようです。

使い分けていたとしたら理由が知りたいものです。

当時の中国の国名である唐の唐歌(からうた)に対して大和の言葉による歌のなので「やまとうた」なのだそうです。

漢詩に刺激を受けたのだと思いますが、なぜ短歌の形式になっていったのかにも興味がわきます。

ただ、今回出土した木簡は、その辺を解明していく資料としても価値があるということなのだと思います。