政府がエネルギー政策の転換を図ったこともあり、原発の運転が最長で60年まで可能になります。

これを受け、原子力規制委員会は会合を開き、新たな制度について、ルールの骨子を決定しました。

運転開始30年経過後に、10年以内ごとに審査をするというものです。

5人の委員のうち石渡委員が反対したため、多数決により決定されました。

「安全側への改変とはいえない」というのが反対意見です。

福島県で原発事故が起きて以降、運転が停止されているところ以外、各地で原発のトラブルは起こっています。

当然、何か変更があるのなら安全なものにしていかなければなりません。

既存の原発の耐用年数を超えて、60年まで運転の延長を可能にするというのは安全にするものとはいえません。

耐用年数では採算が取れなかったのではないかと勘ぐってしまいます。

今まで大丈夫だったのだからもう少しという気持ちは、わからないではありません。

この問題を考える時に似たものを感じる問題があります。

高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違い事故です。

原発と高齢者を一緒にするなと言われそうですが、類似点があるように感じます。

高齢者に健康診断を実施し、運転技能検査を行ったとして、事故が起きた時に、他の交通事故と同じといえるかと言われると、そうは思わないのです。

高齢で運転を続けている事自体に問題があったと思ってしまいます。

年の割に若いということを感じる人はいますが、反応や判断が鈍ることに変わりはありません。

健康診断で異常なしと診断されても、突然命の関わる症状が出ても不思議ではないのが高齢者です。

車の運転を続けることが生活のために必要であったり、若さの秘訣であったりすることはあると思いますが、一定の線引きは必要なのではないかと思います。

その線が60年というのは人間が管理するには長すぎやしないでしょうか。

数十年経過した原発に検査を行い、基準をクリアしていると言っても、事故が起きてしまえば、言い訳を用意しただけと捉えられても仕方ないのではないでしょうか。