イラン(イラン・イスラム共和国)とサウジアラビア(サウジ・アラビア王国)が国交を正常化することがわかりました。

世界にとっては歓迎すべき事のようにも思えます。

イランとサウジアラビアは2016年から断交状態にありました。

中東にとっては不透明な部分が増しています。

イスラム世界や他の中東諸国とのパワーバランスが変化してしまうからです。

イスラム世界でのスンニ派とシーア派のパワーバランスもそうですが、中東、特にイスラエルとの関係が微妙になってきます。

今回の国交正常化は、中国(中華人共和国)の習近平国家主席の仲介により行われたようです。

中国としては、親交国であるロシアの地位が、ウクライナへの侵攻によって世界の中で低下することを見込んで、エネルギー源の確保や安全保障の確保を図ったのだと思います。

反対にサウジアラビアはアメリカ(U.S.A)と距離を置き、中国やイランにすり寄ったことになります。

アメリカはトランプ政権の時に極端にイスラエル寄りだったので、反動も大きくなったのだと思います。

それに加え、バイデン政権になってからも、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏がトルコで殺害された事件で、バイデン大統領がムハンマド皇太子を厳しく非難したことなども理由に挙げられます。

一時はアメリカの仲介でイスラエルとサウジアラビアの関係も良好になる兆しが見えましたが、今回のイランとの国交正常化により緊張状態は高まったと言えるのではないでしょうか。

習近平氏のしたたかさが際立っています。

3期目に入る長期政権の強みかもしれません。