今日は、債務引受の改正箇所について書きます。
債務引受は改正前から制度としては解釈上認められていました。
存在するのが当たり前のようにも思えますが、条文は存在しませんでした。
そこで旧法下で解釈上認められていた債務引受の制度が、条文によって規定されました。
そのため、この部分については改正というよりも新設になります。
まず併存的債務引受についてですが、これは新債務者が従来からの債務と同一内容の債務を引き受けるものです。
通常、従来からの債務者と新債務者は連帯債務の関係になります(民法第470条第1項)
しかし、契約の解釈によっては保証の実質を有するケースも有るため、そのような場合は保証に関する規定が適用されると考えて良いと思います。
併存的債務引受は債権者と新債務者の合意によることもできますし(民法第470条第2項)、従前の債務者と新債務者との合意によることもできます。(民法第470条第3項)
三者の合意によることは、上記規定に基づく契約が複数同時に締結されただけなので、直接の条文の定めはありませんが認められます。
これに対し免責的債務引受では、債権者と新債務者の合意による場合は債務者の承諾は不要ですが(民法第472条第2項)、従来からの債務者と新債務者の合意による場合は、債権者の承諾が必要になります(民法第472条第3項)
債権譲渡の場合と同様の規定が設けられ、免責的債務引受の効力が生じた時点で、債務者が債権者に対して主張し得た抗弁をもって債権者に対抗できます。(民法第472条の2第1項)