弁済による代位の続きです。
第三者が弁済した場合、債権者に代位できることを前回書きました。
弁済による代位は、債権だけでなく担保権がある場合は、担保権も実行できるということも書きました。
では、代位する債権に保証人や物上保証人が複数いる場合はどうなるかについてから始めます。
これについては、多数当事者の債権債務関係について書いたことがあてはまります。
つまり保証人にせよ物上保証人にせよ、連帯保証人でなければ、単なる保証人と同様、頭数で割った額が、それぞれの保証人の負担額となり、物上保証人同士では、担保権を設定した財産の価額割合に応じて負担部分が決まります。(民法第501条第3項第4号)
それぞれ決まった負担部分まで弁済による代位を受けることになります。
次に、債権全額ではなく一部を弁済した場合についても改正されています。
旧法では弁済した価額に応じて債権者とともに権利を行使すると定められていました。
これが、一部弁済をした第三者は、担保権を実行するには単独では実行できず、原債権者の承諾が必要になります。(民法第502条第1項)
原債権者が担保権を実行するには、第三者の承諾は必要ありません。(民法第502条第2項)
担保権を実行し、売却代金が原債権者の債権額(一部弁済された後の額)と代位債権者の債権額(弁済額)の合計額に満たない額にしかならなかった場合、優先関係があるのかそれとも、債権額に応じて回収するのか争いがありました。
これについては、民法第502条によって、原債権者が優先し、原債権者が満足を得た後に、一部弁済をした第三者が弁済を受けることができることになりました。(民法第502条第3項)