今日は改正民法の記事を書きます。

前回書いた弁済に関連する改正事項は他にもまだまだ細かな改正箇所がありますが、契約各論に入りたいと思います。

売買契約から始めます。

民法には典型的な13種類の契約が定められています。

契約自由の原則と言われるように、公序良俗に反するような内容でなければ、原則として自由に内容が定められるので、13種類に限られるわけではないのですが、よく利用される契約について、予め基準となるような内容を定めてあるのです。

典型的な契約について「売買」や「委任」といった名前が付いているため、典型契約や有名契約などと呼ばれます。

売買契約もその1つで、売り主、買い主の双方が債務を負い、有償で売買されることが通常であることから、双務、有償契約の典型とされます。

そのため売買契約の規定は他の有償契約にも準用されます。

その売買契約について、改正されているのが手付です。

手付といえば「手付倍返し」と言われるように、契約を解除する場合、手付けを打った買い主は手付を諦め、手付を受け取った売り主は手付の倍額を返還することで契約を解除できるとされています。

要するに、物は欲しいので、手付けを払って押さえておくけれども、実際には買わない、売らないという場合、買い主にせよ、売り主にせよ、手付に相当する額を支払うことで契約を解除できるという制度です。

旧法でもあった制度ですが、旧法では、「倍の額を償還して」とあったために、弁済の提供はしたけれども、実際には相手に金銭が渡っていない場合に、解除できるのかどうか問題になっていました。

これについて、改正法では「その倍の額を現実に提供して」(民法第557条)と定めることにより、現実の提供をすれば償還までは済んでいなくても良いことが明確になりました。

つまり、現実の提供をしさえすれば、相手方が受領を拒絶しても解除できるということになります。

この他にも、対抗要件がある場合には、売り主には解釈上対抗要件を具備させる義務があるとされていましたが、明文により売り主の義務として明記されました(民法第560条)

他にも細かな改正はありますが、次回は旧法で言う売主の担保責任について書きたいと思います。