廃炉が決まっている福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」の直下を通る断層が活断層だとする学説が出てきました。

「もんじゅ」の西には白木ー丹生断層という断層が走っています。

この断層については、日本原子力研究機構も活断層だと認めています。

この断層が、これまで考えられていたのとは別のルートで、「もんじゅ」の下の断層に達しているのではないかという説が学会で発表されたのです。

白木ー丹生断層が、海岸に沿うように「もんじゅ」の下の断層まで達している可能性が出てきているのです。

これまでは、「もんじゅ」直下の断層が注目されていたため、2017年の原子力規制委員会の有識者会合でも、活断層である証拠は認められないと判断されていました。

広島大学の名誉教授らが、原子力規制委員会が公表した資料を元に周辺の地形から、検討し直した結果、実際には活断層である可能性が高まったのです。

有識者会合のとる説と今回の学説がフラットに並べられるというより、有識者会合の判断後に同様の資料を元に、専門家が精査した結果なので、今回の学説の方に優位性がありそうなのです。

廃炉が決まっているので安心ということではありません。

敷地内には核燃料の貯蔵プールが有り、試験研究炉の建設も検討されています。

今回この学説を学会で発表した先生方は、科学的に見れば活断層と述べられています。

廃炉作業が終わるのは、2047年ごろになる予定なので、少なくとも、それまでは地震対策を講じなければならないことになります。