過去の少年事件の記録などが廃棄されていた問題に関連して、最高裁判所は、社会的に意義のある事件の事件記録を「国民の共有財産として後世に引き継ぐ」という規定を規則の中に盛り込んだことを発表しました。

事件記録の保存について助言する常設の第三者委員会の設置も明記されています。

現行でも、必要が高いものについては、保存期間が過ぎていても特別保存として残すことがあります。

しかし、神戸連続児童殺傷事件の記録や他の社会的に大きな影響を与えた事件についても裁判記録の廃棄が全国で報告されていました。

これら事件記録の廃棄について、最高裁判所は調査を行い、調査報告書を公表して、残すべき記録を多数失わせたと謝罪しています。

稀に起こる誤破棄の問題とは、別の問題です。

廃棄された事件記録は少年事件だけではありませんが、少年事件については忘れ去られることが必要な場合もあります。

しかし社会的に大きな影響を与えた事件については、事件記録を残しておくべきものもあります。

特別保存の規定はあるものの、誰がいつ判断するのか明確には定められていなかったのです。

そのため原則廃棄という取り扱いになっていたのです。

過去には、有名な判例集にのっているような事件についても、事件記録が廃棄されていたことが明らかになっています。

現在、事件記録についてはデジタル化ができるので、保管スペースなどはそれほど問題にならないはずです。

保存媒体の管理が必要になるにしても、必ずしも原本をそのまま保管しなくても記録を残せるはずです。

時代が変われば、保管方法などの検討も進めるべきなのだと思います。