今回の地震で、原子力発電所での大きな事故は確認されていませんが、全く影響なかったわけではありません。

志賀原発1号機では、変圧器が破損し、オイル漏れ事故が起きています。

志賀原発2号機では自動消火設備が作動しています。

火災は発生していないと報告されていますが、誤作動なのかちょっと怪しい感じがします。

志賀原発は、トラブルが続いたうえ、原子炉建屋直下に活断層があるのではないかという疑いがあり運転停止中ですが、運転を停止していても冷却ポンプなどは動かし続ける必要があります。

志賀原発1号機では、燃料プールの水が溢れ、一時冷却ポンプが停止しましたが、約40分後復旧しました。

事故が起きた場合の避難経路の確保なども重要なのですが、原発がある事自体が災害時にかなりの負担になることがわかります。

住民の救助活動だけでも大変なのに、原発で事故が起きれば、そちらを優先しないわけには行きません。

優先すると言っても、道路などが寸断された場合に、対応できるのかどうかもわかりません。

志賀原発では、異常がないかどうかを確かめるために原発の周辺にモニタリングポストを設置して大気の放射線量を観測しています。

志賀原発の30キロ圏内にあるモニタリングポストのうち、14箇所で機器が上手く作動せず、欠測が生じています。

つまり、現在安全かどうかよくわからない状態ということです。

周辺のモニタリングポストで異常が観測されない限り大丈夫だろうという状態です。

更に、今回の地震発生後に、どういう状況だったかの検証が、データが取れていないため後からできないということでもあります。

大きな事故が発生していないにも関わらず、このような状態の原子力発電で電気を作らなければならない理由がよくわかりません。

なぜ、政府は積極活用へと方針転換したのかの疑問は消えません。