石川県で地震が起き、続々と被害が報告されています。
揺れだけではなく、火災でも大きな被害が出ています。
石川県といえば、県外の人間には伝統的な文化が栄えた地方として認知している方も多いと思います。
被害が大きかった輪島市も輪島塗で有名です。
漆塗りの産地ですが、近年、陶器製だけでなく、プラスチック製の製品の需要が増し、伝統が危ぶまれていた状況です。
そこへ来て、火災や揺れによる被害で活動休止を余儀なくされ、このまま廃業する職人さんも出てくるのではないかと思います。
最近流行りの金継ぎも、漆塗りの職人さんが片手間で修理していたものが、金継ぎにシフトした人が忙しくなり、本業の漆塗り職人さんの仕事が減ってしまっていたような状態です。
かといって、すべての職人さんが金継ぎでやっていける状況でもありません。
確かに、現在の生活サイクルからすればプラスティック製品の方が便利かもしれません。
しかし、漆塗りには漆塗りの良さがあります。
洋家具だったのですが、子供の頃、家に漆を塗った食器棚がありました。
その食器棚にはゴキブリが寄り付かなかったと記憶しています。
見た目だけでなく、衛生面も考えて、昔の人が活用してきたのかもしれません。
プラスティック製品が見直される流れにあるので、食器だけでなく、まだまだ活用する余地があるのが、漆塗りだと思います。
伝統技術の担い手である職人さんによっては、新たな活用法などマーケティング的な発想で活用法を探るのは、自らの仕事と相容れなかったのかもしれません。
それだけに、他の活用法には、まだまだ可能性がある気がします。
ただ、その漆自体を採る人も、極端に減ってしまっている状態だそうです。