仙台高等裁判所の岡口基一判事が、SNSで女子高生が殺害された事件を紹介した投稿に対して、遺族が抗議し、これに対して岡口判事が侮辱的な表現で投稿を行ったとして損害賠償を求められていた裁判の控訴審判決が東京高等裁判所でありました。
第一審では、遺族側の主張を認め、岡口判事に44万円の賠償を命じていました。
これに不服の遺族側が控訴していました。
一応勝ってはいますので、判決内容や賠償額に不満があったということになります。
控訴審では、遺族側の主張を退け、控訴が棄却されました。
ただし、第一審では2017年の投稿については不法行為を認めていませんでしたが、今回の高裁判決ではこれについても不法行為であることを認めています。
損害賠償の額については原審を維持しています。
一定の配慮をしつつ控訴を退けた判決です。
2017年の投稿が不法行為となるかどうかは微妙な気がしますが、身内に決して甘いわけではないということを示したかったのかもしれません。
しかし、高裁ではありませんが、東京地裁では裁判官の行為が不法行為となるかどうかも一般人と同じ基準で判断しているとしています。
私が気になったのは、岡口判事の投稿の一部で2019年に「俺を非難するように東京高裁に洗脳されている」と書いていることです。
真偽の程はともかく、現役の裁判官である岡口判事自身が裁判所をそのようなことをしかねない所だと見ていることです。
実は、他の事件でも裁判官が退官後に、判決に対して不当な圧力があったと証言する例があるのです。
結局、裁判所も一般社会とあまり変わらない部分があるということだと思います。
そういうことも含めて裁判員制度を導入したという理解をした方が良いのかもしれません。
ただし、一般人の方も、こちらはこちらで、コネや利益誘導での判断に歪みが生じても何ら不思議ではない状態ではあります。