地球上では、経度15度で1時間時差が生じることを教わります。

標準時間というものもあって、世界ではロンドンのグリニッジ、日本では明石が標準時になります。

宇宙開発競争が激しくなる中、アメリカ(U.S.A)のNASA(米航空宇宙局)が、月の標準時間を導入するための戦略づくりを進めることになりました。

アメリカの科学技術政策局(OSTP)からの指示があったためです。

月面探査が増えることが予想されるので、様々なミッションを遂行するうえで月の標準時間で運用することが必要になってくるのです。

これまでは地球時間で様々なミッションを進めてきました。

ただ、これからは月の上で進められるミッションも出てくることが考えられますので、月での標準時が必要になってくるのです。

地球上であれば、基準となる場所を決めれば問題ありません。

ところが、月の場合、地球と時間の流れ方も異なるので厄介です。

ご存知のように、月では地球よりも重力が弱いため、時間の進み方は地球よりも早くなるのです。

「戦略づくり」と書きましたが、決して大げさではないのです。

科学的、技術的な話だけでなく、各国でこれだけ宇宙開発競争が進んでくると、アメリカの決めたことを世界標準にしようという戦略も含んでいるかもしれません。

世界標準にするためにはアルテミス合意に参加している各国との競技が必要になります。

アルテミス合意には現在世界36カ国が参加しています。

地球上ではアメリカの求心力が低下しているように感じますが、宇宙ではこれからもリーダーシップを発揮しようと考えているのかもしれません。