惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った試料の分析が続いています。

これまでも生命の誕生にかかわるアミノ酸などが見つかっています。

小惑星誕生時から存在するアミノ酸などの有機物が、なぜ保存されていたのか、その謎に対する答えを海洋開発機構(JAMSTEC)などの研究グループが発表しました。

「にがり」と同じような物質が存在し、それによって有機物が保存されていた可能性があることがわかりました。

リュウグウには水が存在していた時期があったことがわかっているので、研究グループは、はやぶさ2が持ち帰った試料を水と反応させて、その中に含まれる鉱物組成を調べました。

その結果、ナトリウム49.5パ-セント、マグネシウム26.1パーセントであることがわかりました。

「にがり」は塩化マグネシウムですから、ほぼ同じ成分です。

成分割合についても、この2つの物質については、ほぼ地球上の「にがり」と同じぐらいの割合といっていいのではないでしょうか。

にがりは、有機物を安定化させる働きがあります。

豆乳からお豆腐ができるのと同じ原理です。

生命の誕生にかかわる有機物が保存されたのと、同じ原理を用いた製法で、日本人がお豆腐を作ってきたかと思うと感慨深いものがあります。

将来、宇宙から採取した鉱物から採れた「にがり」を使って、宇宙豆腐などが発売されるかもしれません。

そのような時代が来たとしても、豆腐のことを白色矮星と呼ぶことはないでしょう。