ふるさと納税の返礼品を巡って国と揉めた泉佐野市ですが、裁判でも簡単には引き下がりませんでした。

通常、お役所というと中央に弱く、変わったことをすることは避けられる傾向にあると言えるのではないかと思います。

それを考えると泉佐野市は自治体の中でも異色の存在と言えるのではないでしょうか。

その泉佐野市が企業版ふるさと納税の仕組みを使って、子ども食堂の支援策を打ち出しています。

企業版ふるさと納税は、正式名称だと地方創生応援税制といいます。

企業が国が認定した自治体事業に寄付すると、その分税控除が認められる制度です。

単なる利益であれば税金として持っていかれる部分が大きいわけですが、企業版ふるさと納税なら、損金算入と合わせて、最小で、1割の負担で自治体事業を支援できるのです。

税金として納めても、何らかの公共の目的のために使われるのだから一緒ではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、税金であれば誰のお金かという事は殆ど話題には登りません。

企業版ふるさと納税では返礼品は禁止されていますが、一定の企業PRなどが特典として認められる場合もあるのです。

地域貢献や企業イメージの向上を考えると、十分寄付額に見合うと思うのです。

この企業版ふるさと納税の仕組みを使って、泉佐野市は値上げなどで食材調達が難しくなっている子ども食堂の支援をします。

食材の調達も泉佐野市の企業だけかというとそういうことでもないのです。

全国47の自治体と協定を結ぶ企業の全国の特産品が対象なのです。

どの地域の食材を使うのか以外にも、何らかの弊害が出てくるかもしれません。

それでも、まずは必要な所へ必要な物が届く仕組みは実行に移す価値があると思うのです。

やってみなはれの精神がこのようなところにも現れているのでしょうか。