ロシアがウクライナに侵攻する可能性が指摘された時、EU諸国は天然ガスの確保に奔走しているということを以前このブログで書きました。

ヨーロッパ諸国は天然ガスの約40%をロシアからの輸入に頼っているからです。

天然ガス以外にも資源はあるのですがタイミングが悪かったのです。

ちょうど「地球に優しく」ということで、脱炭素社会ということが国際的な流れになっていました。

そのため「石油よりも二酸化炭素が出にくい」と言われている天然ガスへの依存度が高まっていたのです。

「石油よりも二酸化炭素が出にくい」という表現には誤解があります。

単位量あたりの排出量で言えば、誤っていると言えます。

二酸化炭素が出る量としては、同じぐらいの量であれば、むしろ天然ガスの方が二酸化炭素の排出量が多いぐらいなのです。

ところが天然ガスは発熱効率が高いために、同じ発熱量を得るのであれば、天然ガスは石油より少ない使用量で済みます。

ということは同じエネルギーを得るのであれば、天然ガスの方が少ない使用量で済むため二酸化炭素の総排出量は少なくて済むのです。

そういう意味では「石油よりも二酸化炭素が出にくい」とも言えます。

脱炭素社会ということも含め環境問題への意識の高まりもあって、他の資源開発に対して企業も消極的になりました。

発熱効率の低い資源の使用や資源開発自体が環境汚染を引き起こすからです。

結果、ロシアへの天然ガスの依存度が高まるということになってしまいました。

EUやNATO加盟国のロシアへの制裁が出遅れ気味になった要因の1つでもあります。

特にドイツは天然ガスの依存度が高いために、ロシアにすり寄っていた感がありましたが、ロシアのウクライナ侵攻を機に政策転換しました。

エネルギー政策や国防問題に加え、ウクライナに侵攻したプーチンの姿にヒトラーの記憶が蘇ったのかもしれません。