熊本県産と産地を偽って販売されているものが多いことがわかったアサリですが、産地偽装は業界で以前から続いていたようです。

産地偽装が問題になってから、売り場からは熊本県産が減り、代わりに中国産のアサリが増えました。

これが本来の割合だったのだと思います。

売れ行きが極端に異なるというのが理由でしょうが、年によっては熊本県産も穫れる量が変化します。

場所によっては極端に減ってしまうところもあります。

同じ九州の福岡県にある水炊き屋さんが鶏糞を使った肥料を開発しました。

畑ではなく海にまくために開発されたものです。

これを使って広島県でアサリの収穫量が増えたのだそうです。

アサリが穫れなくなる原因の1つに海の貧栄養化ということが言われています。

鶏糞でできた肥料をまく事により、海の栄養状態を改善するのです。

昔から海は森で作られるということが言われています。

森の栄養素や朽ちた木が川によって海まで運ばれます。

これにより海の栄養素が豊かになって、魚介類の穫れ高にも影響します。

現に東日本大震災後も東北で植樹が行われ、その後魚介類の穫れ高が改善しています。

反対に海で穫れすぎた魚は、畑の肥料として使われてきました。

現在はこの循環がどこかで断たれてしまっているのではないかと思います。

最近極端に魚が穫れなくなっているのも、このような事と関連しているのかもしれません。

経済活動による公害の影響なども考えられますが、一時期に比べ環境への配慮もなされているため、主な原因は他にありそうな気がします。

海水温の上昇も原因の1つだと思いますが、海へ流れる水の栄養状態というのも原因の1つではないかと思います。

道路などの舗装も進み海に流れ込むまでに、水が通るルートや時間が変化して、運ばれる栄養素が減ってしまっているということは十分に考えらるのです。