早稲田大学の社会人向けのマーケティング講座で、講師を努めた牛丼チェーンの吉野家の役員の発言が問題になっています。

女性は成熟してくると牛丼なんて食べようと思わないため、上京したての右も左もわからない若い女性を牛丼中毒にさせるという趣旨の発言をしたようなのです。

このような手法を「生娘をシャブ漬け戦略」と題して解説していたようです。

内容自体は、マーケティングの手法としてはあり得る方法の1つだと思いますが、用いた言葉や例えがまずかったとしか言いようがありません。

マーケティングの内容を刺激的な言葉で説明したかっただけかもしれませんが、完全に言葉選びを間違ったという印象です。

本来はこの人の部下が、このような発言をした場合に、用いるべき表現を指導しなければならない立場の人です。

他方でこの発言に拒絶反応を示す人は多いのですが、それほど異なる感覚を持っている人ばかりなのか疑問にも思います。

似たような感覚の人は他の会社にも結構いるのではないかと思うのです。

女性の社会進出にしても、医学部の入試問題にしても、同じような感覚があったから阻まれていたという現実があるのではないでしょうか。

人口動態の変化により、働き手が減ったため女性を使わざるをえない状況が出てきて、もっと女性を活用すべきと言い出したようにも見えるのです。

これらの人達は、この発言と同様の感覚の持ち主ではあるけれども、言葉遣いを間違えなかったために非難されないだけに見えるのです。

それどころか、むしろ女性の活躍の場を提供する開放者のように捉えられている経営層や管理職がいるのではないかと思います。

のこのこ、そのような男性の発言に乗っかる女性を見ると、これこそが女性蔑視の弊害の現れなのだと感じざるを得ません。

ただ、こういう過程を経て、女性の社会進出が可能になっていくのかもしれません。