外国人技能実習生の失踪には、背景として入国のための不当な費用の支払いの存在が疑われるとして、出入国管理庁により調査が行われました。

外国人技能実習生2000人以上を対象に聞き取りを行ったところ、85%が何らかの形で、母国の送り出し機関に費用を支払っていたことがわかりました。

さらに支払額の平均が52万円であることもわかりました。

このような実態から、借金の返済のために日本に入国後、更に良い給与を求めて仕事を変わろうとしたり、給料から返済させられるので、逃げたりする実態があるのではないかということが伺われます。

日本に入国するための費用が給料からの天引きされていると、日本の場合、給料には差し押さえ禁止部分や、労働基準法上、天引き禁止になっていますので、これらに違反するケースも出てきます。

入国する外国人は、よりよい給料を求めて転職しようと考えたりしますが、技能実習生は簡単には転職できないと考えた方が無難です。

技能を身につけるために入国が許可されているのであって、稼ぎに来ることを許可されているわけではないからです。

中には本人の技能が決して低くはなく、正規のルートで、あまり費用をかけずに入国できるのに、わざわざ違法なルートで多額の費用を払って入国する人がいます。

本国で日本で働くための情報が不足しているためだと思いますが、正式な情報が発信されていても、同じ言葉を話すブローカーや違法な活動をしている送り出し機関の人間などに捻じ曲げられて伝わってしまいます。

外国人が出国する前に、正式な情報提供が行われる必要があります。

さらに不必要な費用を払っているなら、それを取り戻すための情報提供なども必要になると思います。