国土交通省による統計不正問題で、東京地検特捜部は、統計法違反で告発されていた5人を不起訴処分としました。

不起訴ということは訴追されないということですが、この処分については一般に色々と誤解があるようです。

一般の方は、起訴されなかったのだから犯罪を行っていないという判断が下ったと見るのではないでしょうか。

もちろんそういう場合もあります。

しかし、今回は統計を書き換えて二重計上したと認定し、統計法違反があるという判断をしたうえで、不起訴としているのです。

これは、犯罪自体が微罪であったり、被疑者に再犯の可能性が少なく、刑事処分をするよりも、軽微な処分に止め更正に期待するなど様々な理由から、犯罪事実が認定されていても不起訴とされることがあるのです。

うまく立ち直る人もいれば、このような緩めの処分から次の犯罪に発展してしまう場合もあります。

このような中途半端な状態に批判的な人もいます。

今回も5人を告発した市民団体は、不起訴は納得できないとして、検察審査会に審査を申し立てるようです。

もし審査の申立がなされた場合、検察審査会で「不起訴相当」、「不起訴不当」、「起訴相当」のいずれかの判断がなされることになります。

いずれかの判断がなされると書きましたが、実際にはいずれの判断もなされない場合も1割から2割ぐらいあります。

これが何なのかというと、検察審査会の判断がなされる前に、被害者の被害感情を汲み取り、検察官が一旦不起訴にしたものの、自ら起訴するケースです。

それまで、一度も起訴したことがないので、一事不再理にもあたらないのです。