住んでいる建物からの子供の転落事故が相次いでいます。

どれも親の監督が不十分とは言いにくい事故です。

1件は幼児が登れないぐらいの高さの手すりがあるベランダからの転落で、たまたまキャンプ用の椅子がベランダに置いてあったというものです。

もう1件は出窓の側面のわずかな隙間からの転落です。

どちらも幼児がそんな所から転落するということを想定するのが難しいと言って良い状態だったと思います。

人間の子供は、足元に何もない状態、つまり宙に浮いたような状態だと、本能的に危険を察知し、先には進まなくなるそうです。

それを考えると、2件とも高い所から、落ちそうという感覚がないまま落下してしまったのではないかと推測できます。

一旦、バランスを崩すと子供は腕の力が弱いため体重を支えきれません。

それに加え、頭が相対的に重いので、頭から前へ落ちてしまいます。

それを考えると、誰の責任ということではなく、徹底して住環境から危険を排除しておく必要があるのかもしれません。

昔は、栄養状態が悪かったり、医療が発達していなかったので、子供が育ちにくい時代がありました。

そのため大きくなる前に子供が死んでしまうということも今より多くありました。

「7歳までは神のうち」として、小さな子供の葬式を出さない地域もありました。

個人的には、身近な子供の死を何とか受け止めるすべとして昔の人が考え出した知恵でもあったのではないかと思っています。

それが、現代では社会状況は変わりましたが、昔とは別のリスクが生じている状態です。

危険に対しては過保護であってよいのかもしれません。

改めてご冥福をお祈りします。