H3ロケットの打ち上げが中止になってしまいました。

H3は、これまであったH2Aの後継機で、H2Aの場合、打ち上げるのに1回約100億円かかるといわれています。

人工衛星を打ち上げたい国や企業があっても、これでは海外との価格競争で勝てないのです。

そのため、H3では大幅なコストダウンが図られています。

だいたいH3はH2Aの半分ぐらいのコストで打ち上げ可能だといわれています。

ロケットの打ち上げが中止と聞くと、またかという感じがしてしまいますが、単に打ち上げられないわけではないのです。

コストを抑えて打ち上げるという、難しいことにチャレンジしているのです。

H3は既に開発の遅れ、打上げの延期により、初号機は当初見積もったコストどおりとはいかなくなっています。

安定して打ち上げられれば、人工衛星の打ち上げを受注するのに国際競争にも勝てるロケットの登場となりますので、国益にも関わってきます。

そのため、は記者からも厳しい質問があり、JAXAのプロジェクトマネージャーともトラブルにもなってしまったようです。

失敗しないように延期したともいえますが、スムーズに打ち上げられないことが失敗とも言えます。

記者としては、その辺の認識の甘さが延期につながったのではないかと言いたいのではないかと思います。

ロマンのあるチャレンジなら応援するだけでも良いかもしれませんが、これは単なる民間企業の私益の問題ではなく、国の宇宙産業という公益にかかわる問題なので、責任も生じてしまいますし、経済的な損失も出てしまいます。

原料、設計、加工、組み立てやオペレーションも含め、ロケットの打ち上げを成功させるのは、日本を挙げての総力戦となってきています。