耕作放棄地が増えている中、農業を始める人も出てきています。

有機農法や自然農法が見直されています。

作物は不揃いになるかもしれませんが、味は決して劣っていないようです。

労力も少なくなり、環境にも優しいとなれば、いいことずくめのようですが、そう言い切れない部分もあります。

有機農法や自然農法では、化学肥料や農薬ではない肥料や予防法で作物を育てるか、より少ない化学物質を使って育てます。

たくさん化学物質を使うほど即効性は期待できないため、病気や害虫が発生してしまうことがあります。

周辺に別の農家があると、そちらまで病気や害虫が広がってしまうことがあるのです。

有機農法や自然農法を行っている場所から、病気や害虫が発生してしまうと、どうしても他の農家との軋轢が生まれてしまうのです。

有機農法や自然農法が注目されるので、日本の農業は、化学物質には慎重である印象を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の農業で使う農薬の量は、決して低い数値ではありません。

色がよく、形が整っている商品作物を安定して作るには、農薬に頼りがちになります。

病気や害虫を防いだり形良く育てるには、農薬を使うのは有効な手段なのです。

商品作物農家は、どのような農法をとるにせよ、農作物の安定供給と安全という両立させることが難しいことを実現していかなければならないのです。

食の安全のために、無農薬や低農薬を望むのであれば、形や虫食いなどに寛容にならなければなりません。

それでも、虫が付いていると、虫が食べられるほど安全な作物だというようにはなかなか考えられないものです。