シリア(シリア・アラブ共和国)で武装勢力に拘束され、2018年に解放されたジャーナリストの安田純平さんが、日本に帰国後、パスポートの発給申請を行って拒否処分を受けたことに対する、発給拒否処分の取り消しを求めた訴訟の判決が東京地方裁判所でありました。

判決では発給拒否処分は裁量権の範囲を逸脱・濫用し、違法であると判断されました。

安田さんは解放された際、トルコ(トルコ共和国)へ移動しましたが、シリアの武装勢力にパスポートを含む荷物を奪われていたため不法入国となり、トルコから国外退去命令を受けていました。

パスポートの発給申請は日本に帰国後の2019年に観光目的でなされています。

外務省は、トルコから入国禁止措置を受けていることを理由に発給拒否処分を行っていました。

裁判所は、海外渡航の自由は日本国憲法で保障された基本的人権で、その制約は合理的でやむを得ない限度でなければ許されないとしています。

安田さんがトルコ周辺に渡航すると日本とトルコの信頼関係が損なわれる可能性があるけれども、それ以外の国への渡航は制約されるべきではないとしています。

つまり入国禁止措置が取られていない国への出国を制約するのであれば、それは合理的でやむを得ない限度ではないと言っていることになります。

外務省は、判決内容を精査し対応を決めるとしていますが、安田さんの方は、トルコ周辺への渡航の制約には合理性があるという判断に不服のようで、控訴する方針を明らかにしています。