中国外務省の趙立堅副報道局長のツイートがニュースになっていました。

葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」という作品の船の上から防護服を着た作業員が汚染水を流すイラストをツイッター上で公開したのです。

英語で「原作者葛飾北斎が今も生きていたら、日本の核の水について大変心配しているだろう」という文章が添えられていました。

問題は大げさかどうかということやどちらの国が正しいかなどということではなく、否定しようのない弱みを日本政府が見せてしまったことです。

今現在日本で検討されているのは太平洋側への放出ですが、趙立堅氏はこれまでも太平洋は日本の下水道ではないという発言もしていました。

日本としては外交上大きなマイナス要因となっています。

原子力発電はあくまで発電技術の選択肢の一つです。

既に自然エネルギーを利用して日本の電力をまかなえるぐらいの技術は日本にもあります。

にもかかわらず危険性の高い原子力発電が利用されています。

東日本大震災のあとに自然エネルギー活用の割合が増えたとはいえそれまでは原子力発電に積極的と言わざるを得ない状況でした。

その後一旦停止されていた福島以外の原子炉で再稼働が始まっている所もあります。

世界的にはこのよのような事故のリスクを考えると原子力は決してローコストな発電ではないことが知られています。

コストとしては今回のように事故があった場合に外交上も利用されてしまうということも算入すべきなのかもしれません。

研究すること自体は否定しませんが、生活を賄うメインの電力にすべきものではないと思います。

それにも関わらず原子炉の数を増やしてきたのは日本政府の方針と言われても仕方ありません。

実際には官僚の判断かもしれませんが、リスクが高いにもかかわらず原子力にこだわることへの反発が日本の政治家にはあまりありません。

ここにも今の日本の歪んだ構造が現れているような気がします。

日本の元首相が2人も原子力発電に反対しているという事実をもっと重大に受け止めるべきではないでしょうか。