夫婦別姓が認められず、元のままの姓で法律上の婚姻ができないことにより精神的苦痛を被ったとして、事実婚状態の計7名が訴えた裁判で最高裁判所の決定がなされました。

元の原告は東京6名、広島1名で訴訟件数は2件です。

上告人側は夫婦同姓を定めた民法第750条や同性となる婚姻届を定めた戸籍法第74条1号の規定により法律上の婚姻ができず精神的損害を被ったと主張していました。

最高裁判所第三小法廷は全員一致で損害賠償の請求は上告理由にならないという判断を示しました。

しかし裁判官5名のうち2名は違憲という判断を示しました。

2名の裁判官が上告人側の主張を認め、同性婚を定める規定が憲法第24条に定める婚姻の自由に反するという判断を示しています。

この2名も損害賠償については、損害賠償を認めるほどの立法不作為による違法性は認められないとして請求を退けています。

そのため原審が確定し、敗訴という結果になりました。

現行法の規定を確認しておくと、民法第750条で夫婦同姓を定めています。

これによると夫婦どちらか一方の同一の姓を名乗ることになっています。

夫婦どちらか一方なので、妻の姓でも良いわけですが、事実上夫の姓を名乗ることが多いわけです。

これは事実上そうなることが多いというだけで、法律上夫の姓を名乗ることが定められているわけではありません。

上告人側は主に別姓による法律婚が認められないことによる精神的な損害を主張していますが、元の姓のままで税の軽減などが受けられないという法律上の不利益も主張しています。

これに対し違憲という判断を示した裁判官も立法不作為、つまり別姓を定める立法をしていない事自体には損害賠償を認めるだけの違法性がないという判断を示しています。

この件に限らず、立法するかしないかは国会の裁量が大きいので、司法である裁判所は立法不作為の違法性を簡単には認めにくいのです。