家賃の滞納に関する新しい判決が出ましたので、それについて書きます。

最高裁判所は、家賃保証会社が、物件の借り主との間で結んだ契約の中で定めた、いわゆる「追い出し条項」について、消費者契約法に基づき、この条項の使用差し止めを命じました。

まず、家賃保証会社というのは、物件の借り主に代わって家賃を支払うことで、貸主に対して家賃を保証し、借り主から立て替えた家賃を回収する事業を営んでいる会社のことです。

貸主からすれば、借り主とのトラブルや家賃回収の労力が省けるので便利なのです。

一方、家賃保証保証会社は、回収という面倒な業務を行うことになりますが、保証料などの手数料が得られるので、この事業だけの商売をしている会社もあります。

借り主からすれば、保証人などが見つからなくても、物件が借りられるというメリットがあります。

更に、家賃保証会社の中には、家賃保証をすることで、投資物件やアパート経営など、物件の建設や販売を行いやすくなるので、これらの事業と一緒に行っている会社もあります。

このような、家賃保証会社の中には、物件の借り主との契約の中で、家賃を滞納したり、連絡が取れなくなった場合は、物件を明け渡したものとみなせるという条項を定めている場合があります。

家賃を滞納したり、連絡が取れなくなったら家財道具を運び出し、次の借り主に貸せるようにするためです。

このような条項を「追い出し条項」と呼びます。

今回の判決は、一方的に賃貸借契約が解除されるのと同じで、物件の借り主は、生活基盤を失ってしまうため、借り主を保護するために、追い出し条項の使用を禁じましたが、賃貸借契約は、あくまで物件の貸主と借り主の間の契約なので、賃貸借契約の当事者ではない家賃保証会社が、借り主の権利を制限してしまっていることも問題視しているようです。