改正民法の2回目です。

今日は資格試験にもよく出る代理について書きます。

代理とは本人が代理人となる者に代理権を与え、代理人が本人の名前をあげて意思表示を行うことにより、その効果が本人に帰属する制度をいいます。

定義で述べると長ったらしいですが、要するに自分の代わりに法律行為を他人に行わせることができる制度ということです。

代理には親権者など法律で代理人になる人が決まっている法定代理と、今、定義で述べたように本人が選ぶ任意代理制度があります。

今日話題にするのは任意代理の方です。

仕事が忙しくて、もう1人自分がいたらと思ったことがある人もいるのではないかと思います。

任意代理の制度は、それを実現するような、本人の行為能力を拡張する制度といえます。

元々代理制度はあったのですが、細かな改正が行われています。

まず、代理は本人に代わって代理人が意思表示をしますが、旧法では、代理の規定が代理人が意思表示をした場合にのみ適用されるのか、代理人が相手方から意思表示を受ける場合にも適用されるのか疑義があったことから、今回の改正でその両方の場合に適用があることが条文で明確化されました。(民法第101条第1項、民法第101条第2項)

これは代理制度で意思表示に瑕疵があった場合、代理人が意思表示を行った場合も、意思表示を受けた場合も代理人を基準に瑕疵の存在を判断することを意味しています。

「瑕疵」という言葉は難しい法律用語の1つで、欠陥ぐらいの意味です。

元々は中国の言葉から来ていて、宝石にキズがあることを意味していました。

反対に、宝石にキズが無いことから「完璧」という言葉が生まれています。

このような代理行為の瑕疵と区別しなければならないのが代理人による詐欺です。

代理人が登場して、詐欺が行われるのだから「代理行為の瑕疵」の問題と考えてしまうと、問題を見誤ることになります。

代理人が詐欺を受けた場合は、瑕疵ある意思表示をするのは代理人ですから代理行為の瑕疵の問題になります。

しかし、代理人が詐欺を行った場合、瑕疵ある意思表示をするのは代理人ではなく、相手方ですから、代理行為の瑕疵ではないのです。

そのため、代理人が詐欺を行った場合に問題になるのは、本人による詐欺(民法第96条第1項)になるのか、それとも第三者による詐欺(民法第96条第2項)になるのかという詐欺の規定の方です。

これは「代理人」が民法第96条第2項に規定されている「第三者」にあたるのかという問題と捉えることができます。

形式的には代理人は、本人とは別人であるため第三者と言えなくもありません。

しかし、代理制度で法律行為の効果が帰属するのは本人です。

利益のあるところにリスクも帰属すべきですから、代理人が詐欺を行った場合も本人が詐欺を行った場合と同視されます。

つまり、代理人が詐欺を行った場合、「代理人」は民法第96条第2項の「第三者」にはあたらず、本人が詐欺を行っているのと同じ民法96条第1項の方が適用されることになります。

登場人物が増えると意思表示に関する規定も誰を中心に考えなければならないかが変わるので大変ですね。

1つ1つ丁寧に見ていくことが大切です。

今日はこの辺で。