ガーナ人男性が、難民申請をして、不認定となりましたが、その際、不認定に対する不服申立ての棄却決定通知の日と退去強制の日を意図的に同じ日にされ、不服申立ての棄却に対する裁判の機会を失ったとして、国に損害賠償を求めた裁判の控訴審判決がありました。

東京高等裁判所は、第一審と同じく、憲法第32条が保障する裁判を受ける権利を侵害したとして国に対する損害賠償を認めました。

第一審の3万円に対して、高裁判決では50万円に増額し、高裁では、地裁で認定されなかった身体拘束の違法性も認めました。

ガーナ人男性が、難民認定の不認定に対して、不服申立てを行いましたが、この手続きの情報を、入管当局が、東日本入国管理センターに情報提供し、これに対する棄却決定の日と退去強制の日を同じ日になるように調整したと、第一審及び控訴審が、共に認定しました。

裁判では、認定された事実が真実とは限らないのですが、恐らく認定事実どおりなのだと思います。

難民認定を不認定にするために、日本から追い出して、裁判をする機会さえ与えないように調整していたのですから、随分卑怯なことをしたものだと思います。

退去強制の際は、11時間身体を拘束し、上に乗るなどしていたのですから犯罪的ですらあります。

裁判所が、国の非を認めたことが唯一の救いとなっています。

在留資格の期限切れに対して、難民認定の申請を悪用する外国人と、そのような外国人に対して、入管の職員も、有無を言わせない対応をしているうちに、人権感覚が薄らいでいくのだと思います。