改元後、契約書などの日付を新元号に直さなくても日付が特定できるのであれば、そのままでも有効であることは以前記事で書きました。

平成で未来の日付を書いていてもそれをわざわざ令和に直す必要はないのです。

ただし契約書に限らず遺言書など書き直す可能性がある文書があります。

特に遺言書などで日付の記入が必要な場合令和になってから書き直して記載が誤っていると2つの可能性がでてきます。(日付自体を書き間違えた場合は別問題です)

1つは契約書等と同じく時期が特定できるのであれば問題ないと解釈される可能性です。

もう1つは改元後に書き直しているのに平成のままだと改ざんされているのではないかと疑われる可能性や認知能力が低下して間違えている、つまり遺言能力が怪しいのではないかと疑われる可能性です。

どちらに解釈されるかは文書のどの部分が間違っているかや書き換え時の健康状態など複合的な要素で決まってくるのでどちらになるということは予め決めることは難しいです。

争ってみないとわからない不確定な部分が大きいと言えるでしょう。

西暦で表示するのも一つの方法ですが、西暦表示と元号表示が入り乱れたりすると元号を誤って記載しているケースと同様の問題が起こりえます。

遺言書のように効力が生じる時に本人が生きて事情を説明できない場合は尚更話がこじれる可能性があります。

無用な争いを避けたいのであれば疑義の生じにくいような統一された表記にしておくのが望ましいです。

ここまでは日本で作成される文書についてですが、年月日の記載については外国人が増え国際企業間の契約書や外国人との間に文書を作成する場合、どの国の日付を基準時にするかなどの問題が生じる場合があります。

これについてはまた別の機会に書きたいと思います。