昨日現在国会に提出されている入管法改正案が廃案になりそうだということ書きました。

その改正案では3回以上難民申請を繰り返すと退去強制が可能になるような内容が含まれていました。

この改正内容についても批判的な意見が出ていましたが、どのような改正案にすべきなのかについて少し触れてみたいと思います。

入管施設に収容されている外国人のうち収容が長期化している外国人で懲役3年以上の実刑判決を受けた外国人は昨年末までで310人いました。

この内約半数が難民申請を繰り返していることがわかりました。

難民申請中は退去強制処分を受けていても送還停止効が認められます。

そのため実刑判決を受け退去強制になることを避けるために難民申請をしていることが考えられるわけです。

この送還停止を狙って難民申請を繰り返す外国人がいるということは統計的に見てもあるのだと言わざるを得ません。

外国人の人権はもちろん重要なのですが、不正な申請を悪用されないことも重要です。

今回改正案は廃案になりますが、この問題に対する対策は必要です。

ただ3回以上難民申請すると退去強制にすることも可能というような定め方ではなく、難民申請に対する審査の他に不服申立手続きを定め、不正認定ができた場合に退去強制処分を可能にすべきなのだと思います。

不服申立の手続きに時間がかかれば難民申請を悪用されるのと同じ状態になってしまいそうですが、可能であれば司法機関を含め、出入国管理庁以外の第三機関に判断させることが重要なのだと思います。

訴訟の場合でも訴訟要件として訴えの利益が検討されます。

すべての法的争いが審理されるわけではありません。

不服申立でも不正な申請であることが資料などから明らかな場合は不服申立を却下し、直ちに退去強制処分にすることもできるはずです。

日本人の場合怪しいから逮捕するというわけには行きませんが、外国人の場合に怪しいから送還というのでは批判されても仕方ありません。

もう1つ重要なのは費用の問題です。

不法滞在になる外国人は帰国費用がないというケースも有るのですが、このように帰国費用を払えない帰国人がいることも収容が長期化する原因の1つにもなっています。

不法滞在や不正な申請をする外国人には罰金などのペナルティーを科し、そのお金から送還する外国人の帰国費用を賄うことも考えた方が良いのかもしれません。

ただし今書いたようにそのようなお金がないから不法滞在になるケースもあるのですが。