法改正により、建設当初の耐用年数を超えて、原子力発電所は60年を超える運転が可能になっています。

関西電力が福井県の大飯原発の3号機と4号機について運転延長の申請を行いました。

新法の施行による新制度での初の延長申請となります。

既に3号機と4号機はともに、これまでの制度でも40年まで運転が認められていましたが、新制度の施行により2025年6月までに、原子力規制委員会が認可しないとそれ以後は運転できなくなります。

10年を超えない期間での運転延長の申請を繰り返していくことになるからです。

そのため、改めて運転延長を申請する今回が、新制度での初の運転延長申請となります。

60年近くの運転になったり、新規での40年を超える運転延長申請は、これから全国の原発で本格化していくと思います。

当初の耐用年数である40年近く使ってみたら、もっと使っても大丈夫なんじゃないかということなのだと思います。

しかし、原子力発電所絡みの運用の不備は、設備だけの問題ではありません。

テロ対策の不備が指摘され運転禁止命令が維持されていた新潟県の柏崎刈羽原発は運転禁止が解除されたものの、原子力規制委員会が苦言を呈するほどのギリギリでの運転再開となります。

茨城県の東海原発の廃炉の完了予定は4回目となる延期により、5年延期され2035年の予定となています。

同じく茨城県の東海再処理施設は高レベル放射性廃液の処理完了時期を10年延期しています。

当初の耐用年数を超えて、60年まで運転できるようにした理由は、とても安全だからとは言えそうにありません。

運転したかったからという理由以外、思い浮かぶ理由がありません。